アフリカ地域研究資料センターでは1986年の創立以来、若手研究者の育成に力を注いできました。京都大学におけるアフリカ地域の研究は、現地でのフィールドワークを柱として、現地における長期滞在を通じて自然の息吹と人々の生活に接するかたちで、進められてきました。そうしたアフリカの姿を明らかにしようとする学際的な研究は、若手研究者が駆動するという思いもあり、積極的に若手研究者やポスドク研究者を受け入れ、研究活動をサポートしています。
本センターには、センターの業務や研究活動に従事する機関研究員のほか、大型プロジェクトに所属し、研究活動に従事する特定研究員、日本学術振興会の科学研究費プロジェクトに所属し、研究活動に従事する科研費研究員、そして、日本学術振興会の特別研究員(日本人、外国人長期・短期)などが在籍しています。また、博士の学位を取得したポスドク研究員に対しては特任研究員の称号を付与し、科学研究費の取得や研究活動を継続できるようサポートをしています。近年では、ポスドク研究員の在籍者は40人以上となります。
こうしたポスドク研究員が精力的に研究を進めることは個人の研究業績、本センターの貴重な実績となるばかりでなく、その存在はアジア・アフリカ地域研究研究科の大学院教育にも大きな活力を与えています。アフリカにおけるフィールドワークには、さまざまな知識や技術が必要であるばかりでなく、人脈の作り方や安全対策など、マニュアルにはできない多くの技能が必要となります。また、お互いが切磋琢磨するなかで、コミュニケーション能力の向上や信頼関係の醸成も可能となります。
教員、ポスドク研究員、そして大学院生といった、世代が異なり、多分野の研究者どうしの日々の付き合いや議論のなかから、研究者としての素養がみがかれ、学術の発展、アフリカ諸国との学術交流、社会にむけた研究成果の発信・蓄積、社会貢献や国際援助につなげています。