海と路地のリズム、女たち:モザンビーク島の切れては繋がる近所づきあい

書籍情報

  • 松井梓(著)
  • 338ページ
  • 春風社
  • ISBN-13:978-4861109546
  • 2024年

内容

海の波や天候は生計を左右する。かつて栄えた都市は現在では廃れて産業を失い漁村となった。稠密に建てられた家々のあいだに路地が張り巡らされ、住居では複数の家族が共に住む。モザンビーク島の女性たちの近所づきあいは、こうした繋がりのなかから生まれる。
一方で彼女たちは、いくつもの仕方でみずからを切り離し、人づきあいのバランスを調整する。あけすけなゴシップを言い合う、家族どうしでの食べ物のやりとりをバタリと打ち切る。それらは島の間延びしたリズムからすれば、あまりにドライな切断に見える。
―――本書が描くのは、こういったことだ。

目次|contents

はじめに 変転する関係に触発される
序章  繋がることと切り離すこと
第一章 モザンビーク島という舞台―環境、歴史、社会、女性
第二章 居住空間の形成史、空間の特徴と近所づきあいのリズム
第三章 海がもたらす時間性―変動と確実性のリズム
第四章 誰と住まい、誰と食べるか―住居内での食のやり取り
第五章 濃密な関わりあいとその変転―親密さと摩擦を行き来する
第六章 ゴシップの渦中で共在する
終章  受け流すこと、委ねすぎないこと

http://www.shumpu.com/portfolio/993/