木村 大治
研究概要
私の関心には 1.(広義の)生態人類学にかかわるもの 2. コミュニケーション、相互行為にかかわるものという二つの方向性があります。前者としては、ボンガンド社会のタイム・アロケーションを調査したもの、民族植物学的な仕事、GISを用いた土地利用の話などがあり、後者としては処女論文である野生化牛の社会構造の話、小離島の対人関係の社会調査(修士論文)に始まり、ボンガンドとバカ・ピグミーの発話様式に関する一連の研究、ボンガンドの個人名の研究(かなり文化人類学の色彩が強い)があります。またこれと並行して、フィールドの話ではなく相互行為に関する理論的な論文を、1990年代半ばから書き続けています。
個人ページ
https://www.africa.kyoto-u.ac.jp/archives/members/kimura経歴
1983年 京都大学理学部・卒業
1985年 京都大学大学院理学研究科修士課程・修了
1985年 京都大学大学院理学研究科博士後期課程・進学
1987〜89年 ザイール共和国自然科学研究センター・共同研究員
1990年 京都大学大学院理学研究科博士後期課程・修了
1990年 京都大学理学博士
1990〜92年 日本学術振興会特別研究員
1990〜91年 日本学術振興会ナイロビ研究連絡センター・派遣研究者(兼任)
1992年 福井大学教育学部・助教授
1997年 京都大学大学院人間・環境学研究科・助教授
1998年 京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科・助教授
2007年 京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科・准教授
2012年 京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科・教授
2012年 京都大学アフリカ地域研究資料センター・センター長
所属学会
日本アフリカ学会
日本文化人類学会
生態人類学会
日本認知科学会
社会言語科学会
人工知能学会
業績欄
著書・編著書
- 木村大治. 2018. 『見知らぬものと出会う:ファースト・コンタクトの相互行為論』東京大学出版会.
- 木村大治. 2010. 『括弧の意味論』NTT出版.
- 木村大治・北西功一(編著). 2010. 『森棲みの社会誌:アフリカ熱帯林の人・自然・歴史 II』京都大学学術出版会.
- 木村大治・北西功一(編著). 2010. 『森棲みの生態誌:アフリカ熱帯林の人・自然・歴史 I』京都大学学術出版会.
- 木村大治・中村美知夫・高梨克也(編著). 2010. 『インタラクションの境界と接続:サル・人・会話研究から』昭和堂.
- Ichikawa, M. and D. Kimura eds. 2003. Recent Advances in Central African Hunter-Gatherer Research (African Study Monographs, Supplementary Issue 28). Kyoto: Center for African Area Studies, Kyoto University.
- 木村大治. 2003. 『共在感覚:アフリカの二つの社会における言語的相互行為から』京都大学学術出版会.
論文等
- 木村大治. 1987. 「小集団社会における『集まり』の構成:トカラ列島の事例」『季刊人類学』18(2). 京都大学人類学研究会, 172–216.
- Kimura, D. and H. Ihobe. 1985. Feral Cattle (Bos taurus) on Kuchinoshima Island, Southwestern Japan: Their Stable Ranging and Unstable Grouping. Journal of Ethology 3: 39–47.
- 木村大治. 1991. 「投擲的発話:ボンガンドの『相手を特定しない大声の発話』について」田中二郎・掛谷誠(編). 『ヒトの自然誌』平凡社, 165–189.
- Kimura, D. 1990. Verbal Interaction of the Bongando in Central Zaire: With Special Reference to their Addressee-unspecified Loud Speech. African Study Monographs 11(1): 1–26. DOI: 10.14989/68060.
- 木村大治. 1991. 「フィールドにおける太陽電池の利用について」『アフリカ研究』64: 59–64.
- 木村大治. 1997. 「相互行為における『打ち切りのストラテジー』」谷泰(編). 『コミュニケーションの自然誌』新曜社, 414–444.
- 木村大治. 1997. 「情報・規則性・コミュニケーション:シャノンとベイトソンの対比を手がかりに」谷泰(編). 『コミュニケーションの自然誌』新曜社, 31–60.
- 木村大治. 1996. 「ボンガンドにおける個人名」『アジア・アフリカ言語文化研究』52: 57–79.
- 木村大治. 1996. 「焼畑農耕民ボンガンドにおける植物の利用と認知」『動物考古学』5: 85–109.
- 木村大治. 1996. 「ボンガンドにおける共在感覚」野村雅一・菅原和孝(編). 『コミュニケーションとしての身体』叢書・身体と文化 2. 大修館書店, 316–344.
- 木村大治. 1995. 「バカ・ピグミーの発話重複と長い沈黙」『アフリカ研究』46: 1–19.
- Kimura, D. 1992. Daily Activities and Social Association of the Bongando in Central Zaire. African Study Monographs 13(1): 1–34. DOI: 10.14989/68088.
- 木村大治. 2002. 「神は細部に宿り給うか?:地域研究における「細部」と「具体」」『アジア・アフリカ地域研究』2: 243–250.
- 木村大治. 2002. 「ウーラマ紀行」加納隆至・黒田末寿・橋本千絵(編著). 『アフリカを歩く:フィールドノートの余白に』以文社, 152–170.
- 木村大治. 2002. 「『拡散する声』の文化:コンゴ民主共和国とカメルーンのフィールドから」松田素二・宮本正興(編). 『現代アフリカの社会変動:ことばと文化の動態観察』人文書院, 408–427.
- 木村大治. 2001. 「相互行為をおもしろくするもの:フィールドにおける相互行為研究から」『人工知能学会誌』16(6): 806–811.
- Kimura, D. 2001. Utterance Overlap and Long Silence among the Baka Pygmies: Comparison with Bantu Farmer and Japanese University Students. In Tanaka, J., M. Ichikawa and D.
- Kimura eds. African Hunter-Gatherers: Persisting Cultures and Contemporary Problems (African Study Monographs, Supplementary Issue 26). Kyoto: Center for African Area Studies, Kyoto University, 103–121. DOI: 10.14989/68405.
- Hashimoto, C., T. Furuichi, Y. Tashiro and D. Kimura. 1999. Vegetation of the Kalinzu forest, Uganda: Ordination of forest types using principal component analysis. African Study Monographs 20(4): 229–239. DOI: 10.14989/68187.
- 木村大治. 2000. 「拡散的会話場と相互返照的予期」岡田美智男・三嶋博之・佐々木正人(編). 『身体性とコンピュータ』bit別冊. 共立出版, 233–245.
- Hashimoto, C., Y. Tashiro, D. Kimura, T. Enomoto, E. J. Ingmanson, G. Idani and T. Furuichi. 1998. Habitat use and ranging of wild Bonobos (Pan paniscus) at Wamba. International Journal of Primatology 19(6): 1045–1060.
- 木村大治. 1998. 「女性としての植物:ボンガンドの植物名における欠性対立」『エコソフィア』2. 民族自然誌研究会, 115–127.
- Kimura, D.. 1998. 「Land Use in Shifting Cultivation: The Case of the Bongando (Ngandu) in Central Zaire」M. Ichikawa(編). 『Man and Nature in Central African Forests』African Study Monographs, Supplementary Issue 25. Kyoto: Center for African Area Studies, Kyoto University, 179–203. DOI: 10.14989/68386.
- 木村大治. 2010. 「バカ・ピグミーは日常会話で何を語っているか」木村大治・北西功一(編著). 『森棲みの社会誌:アフリカ熱帯林の人・自然・歴史 II』京都大学学術出版会, 239–261.
- 木村大治. 2010. 「農耕民と狩猟採集民における相互行為研究」木村大治・北西功一(編著). 『森棲みの社会誌:アフリカ熱帯林の人・自然・歴史 II』京都大学学術出版会, 67–73.
- 木村大治・安岡宏和・古市剛史. 2010. 「コンゴ民主共和国・ワンバにおけるタンパク質獲得活動の変遷」木村大治・北西功一(編著). 『森棲みの生態誌:アフリカ熱帯林の人・自然・歴史 I』京都大学学術出版会, 333–351.
- Lingomo B. and D. Kimura. 2009. Taboo of Eating Bonobo among the Bongando People in the Wamba Region, Democratic Republic of Congo. African Study Monographs 30(4): 209–225. DOI: 10.14989/91451.
- Tashiro, Y., G. Idani, D. Kimura and L. Bongoli. 2007. Habitat Changes and Decreases in the Bonobo Population in Wamba, Democratic Republic of the Congo. African Study Monographs 28(2): 99–106. DOI: 10.14989/68257.
- 木村大治. 2006. 「生態人類学・体力・探検的態度」『アフリカ研究』69: 91–100.
- 木村大治. 2006. 「平等性と対等性をめぐる素描」『人間文化』21. 神戸学院大学人文学会, 40–43.
- 木村大治. 2006. 「フィールドにおける会話データの収録と分析」伝康晴・田中ゆかり(編). 『方法』講座・社会言語科学 第6巻. ひつじ書房, 128–144.
- Kimura, D. 2003. Bakas' Mode of Co-presence. In Ichikawa, M. and D. Kimura eds. Recent Advances in Central African Hunter- Gatherer Research (African Study Monographs, Supplementary Issue 28). Kyoto: Center for African Area Studies, Kyoto University, 25–35. DOI: 10.14989/68428.
- 木村大治. 2003. 「道具性の起源」西田正規・北村光二・山極寿一(編著). 『人間性の起源と進化』昭和堂, 293–320.
- Ichikawa, M., D. Kimura and H. Yasuoka. 2012. Preface. In Ichikawa, M., D. Kimura and H. Yasuoka eds. Land Use, Livelihood, and Changing Relationships Between Man and Forests in Central Africa (African Study Monographs, Supplementary Issue 43). Kyoto: Center for African Area Studies, Kyoto University, 1–1. DOI: 10.14989/153067.
- Yasuoka, H., D. Kimura, C. Hashimoto and T. Furuichi. 2012. Quantitative Assessment of Livelihood around Great Ape Reserves: Cases in Luo Scientific Reserve, DR Congo and Kalinzu Forest Reserve, Uganda. In Ichikawa, M., D. Kimura and H. Yasuoka eds. Land Use, Livelihood, and Changing Relationships Between Man and Forests in Central Africa (African Study Monographs, Supplementary Issue 43). Kyoto: Center for African Area Studies, Kyoto University, 137–159. DOI: 10.14989/153060.
- Kimura, D., H. Yasuoka and T. Furuichi. 2012. Diachronic Change of Protein Acquisition among the Bongando in the Democratic Republic of the Congo. In Ichikawa, M., D. Kimura and H. Yasuoka eds. Land Use, Livelihood, and Changing Relationships Between Man and Forests in Central Africa (African Study Monographs, Supplementary Issue 43). Kyoto: Center for African Area Studies, Kyoto University, 161–178. DOI: 10.14989/153059.
- 木村大治. 2010. 「複雑さとは何か」『霊長類研究』26(2): 179–183.
- 木村大治. 2010. 「似たようなものたちが向かい合う」『人間文化』27. 神戸学院大学人文学会, 21–26.
- 木村大治. 2010. 「インタラクションを捉えるということ」岡田浩樹・定延利之(編). 『可能性としての文化情報リテラシー』ひつじ書房, 97–110.
- 木村大治. 2010. 「『Co-act』と『切断』:バカ・ピグミーとボンガンドにおける行為接続」木村大治・中村美知夫・高梨克也(編著). 『インタラクションの境界と接続:サル・人・会話研究から』昭和堂, 231–252.
- 木村大治. 2010. 「インタラクションと双対図式」木村大治・中村美知夫・高梨克也(編著). 『インタラクションの境界と接続:サル・人・会話研究から』昭和堂, 3–18.
- 木村大治. 2016. 「恥ずかしさの起源と進化」『現代思想』特集・人類の起源と進化:プレ・ヒューマンへの想像力. 2016年5月号. 青土社, 198–211.
プロジェクト
平成22〜26年度 科学研究費補助金(基盤研究A)「アフリカ熱帯林におけるタンパク質獲得の現状と将来」