梶 茂樹

概要

名前
  • 梶 茂樹 | Shigeki Kaji
職名
  • 名誉教授
キーワード
  • 言語学・アフリカ地域研究 / 言語記述をベースとしたアフリカ研究 / 言語と文化

研究概要

アフリカ諸語を対象としたフィールドワークの手法の開発、そして言語記述をベースに言語と文化の問題を考察している。また、国語の問題など社会言語学的テーマや、少数言語・危機言語の問題などにも積極的に取り組んでいる。1970年代、80年代は主としてコンゴ(ザイール)、90年代はセネガル、タンザニア、2001年からはウガンダで調査を行っている。

経歴

香川県出身
1969年 香川県立高松高等学校卒業
1974年 京都大学文学部卒業
1976年 京都大学大学院文学研究科修士課程修了
1979年 京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学
1993年 京都大学文学博士
1979年 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所助手
1987年 同助教授
1995年 同教授
2004年 京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科教授
2016年 京都大学名誉教授

所属学会

日本言語学会
日本アフリカ学会
日本音声学会
世界アフリカ言語学会
Royal Academy for Overseas Sciences

業績欄

著書・編著書

  • 2010 梶茂樹,小沢剛 共著 『ウガンダ・ノート』,三元社.
  • 2009 梶茂樹,砂野幸稔 共編著 『アフリカのことばと社会−多言語状況を生きるということ』,大和プレス.
  • 2009 梶茂樹,中島由美,林徹 共編 『事典世界のことば141』,大修館書店.
  • 2007 Kaji, S. A Rutooro Vocabulary, アジア・アフリカ基礎語彙集No.50, 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所.
  • 2006 梶茂樹,アンドレ・モティンゲア 『リンガラ語20講』, 平成18年度言語研修テキスト, 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所.
  • 2005 梶茂樹,石井溥 共編.『アジア・アフリカにおける多言語状況と生活文化の動態』, 平成13-16年度科学研究費補助金基盤研究(A)報告書, 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所.
  • 2005 Kaji, S. Cross-Linguistic Studies of Tonal Phenomena: Historical Development, Tone-Syntax Interface, and Descriptive Studies. 東京外国語大学 アジア・アフリカ言語文化研究所.
  • 2004 Kaji, S. A Runyankore Vocabulary, Asian & African Lexicon No.44, 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所.
  • 2003 Kaji, S. (ed.) Cross-linguistic Studies of Tonal Phenomena: Historical Development, Phonetics of Tone and Descriptive Studies. Research Institute for Languages and Cultures of Asia and Africa, Tokyo University of Foreign Studies.
  • 2003 梶茂樹編著.『地方語と共通語における借用語の動態関係−アフリカとインドネシアの場合−』, 環太平洋の「消滅に瀕した言語」にかんする緊急調査研究事務局.
  • 2001 Kaji, S. (ed.) Cross-linguistic Studies of Tonal Phenomena: Tonogenesis, Japanese Accentology, and Other Topics. Research Institute for the Study of Languages and Cultures of Asia and Africa, Tokyo University of Foreign Studies.
  • 2000 Kaji, S. A Haya Vocabulary. アジア・アフリカ基礎語彙集No.37, 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所.
  • 1999 Kaji, S. (ed.) Cross-linguistic Studies of Tonal Phenomena: Tonogenesis, Typology, and Related Topics, 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所.
  • 1998 梶茂樹.『ハヤ語語彙集』(平成10年度言語研修「フィールド・メソッドによるハヤ語研修」報告1), 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所.
  • 1994 梶茂樹.『ウォロフ語入門』(ジャン・レオポルド=ジュフと共著), 言語研修テキスト1, 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所.
  • 1994 Kaji, S. Vocabulaire Nande. 平成5年度文部省科学研究費補助金一般研究(C)報告書, 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所.
  • 1993 梶茂樹.『アフリカをフィールドワークする』, 大修館書店.
  • 1992 Kaji, S. Vocabulaire Lingala Classifié. African Languages and Ethnography Vol.2, 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所.
  • 1992 梶茂樹.『テンボ語音韻論−その共時態と通時態−』, 京都大学大学院文学研究科提出博士論文, 1992(1993年3月学位受理).
  • 1992 Kaji, S. Vocabulaire Hunde. アジア・アフリカ基礎語彙集No.24, 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所.
  • 1991 Kaji, S. Plantes Sauvages et leurs Utilisations chez les Batembo. 平成2年度文部省科学研究費補助金一般研究(C)報告書.
  • 1986 Kaji, S. Lexique Tembo I: Tembo-Swahili du Zaire-Japonais-Francais. アジア・アフリカ基礎語彙集No.16, 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所.
  • 1985 Kaji, S. Deux Mille Phrases de Swahili tel qu'il se Parle au Zaire. African Languages and Ethnography Vol.19, 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所.
  • 1977 梶茂樹.『テンボ語語彙表』, 京都大学教養部社会学研究室.

論文等

  • 2018 "Preface", African Study Monographs Suppl 54: 1.
  • 2013 "Multi-language Use and Lingua Franca Use: Two Strategies for Coping with Multilingualism in Africa", African Study Monographs 34(3): 175-183.
  • 2013 "Monolingualism via Multilingualism: A Case Study of Language Use in the West Ugandan Town of Hoima", African Study Monographs 34(1): 1-25.
  • 2010 "A Comparative Study of Tone of West Ugandan Bantu Languages, with Particular Focus on the Tone Loss in Tooro", Zaspil 53: 99-107.
  • 2010 「未知の言語の調査法 ―アフリカの言語の場合」, 『日本語学』Vol.29-12: 58-66.
  • 2009 "Tone and syntax in Rutooro, a toneless Bantu language of Western Uganda", Language Sciences Vol.31(2-3): 239-247.
  • 2009 「トーロ語における他動詞の自動詞的用法」, 『スワヒリ&アフリカ研究』 第20号: 165-179, 大阪外国語大学地域文化学科スワヒリ語・アフリカ地域文化研究室.
  • 2008 「トーロ語―私のフィールドノートから」, 『月刊言語』, Vol.37(12): 88-93.
  • 2008 「適用形―動詞が担う意味役割の多様性」, 『月刊言語』, Vol37(5): 60-65.
  • 2007 「トーロ語の地名」, 『生きる場の人類学—土地と自然の認識・実践・表象過程』 (河合香吏編), 京都大学学術出版会, pp.185-194.
  • 2007 「アフリカの言語は易しいか-バンツー系トーロ語の統語構造と声調の係わりにおいて検証する-」, ARENA 2007, 中部大学国際人間学研究所編、pp.44-51.
  • 2007 「多様な言語の形成と言語の大分類」, 『新世界地理 アフリカI』(池谷和信、佐藤廉也、武内進一編), 朝倉書店、2007年4月, pp.68-78.
  • 2007 「コンゴ・スワヒリについて、その1:英語からの借用とフランス語からの借用」, 『スワヒリ&アフリカ研究』 第18号: 64-74, 大阪外国語大学地域文化学科スワヒリ語・アフリカ地域文化研究室.
  • 2006 「ハヤ語、アンコーレ語およびトーロ語の声調の比較、特にトーロ語の声調消失に関連して」『言語研究』 129: 161-180.
  • 2005 「アフリカの多言語使用―特に東アフリカのSwahili語圏の国語問題を中心に―」, 『アジア・アフリカにおける多言語状況と生活文化の動態』(梶 茂樹・石井 溥編), 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所, pp.1-14.
  • 2005 「フィールドワークで作る辞書」, 『レキシンコンフォーラム』No.1(影山太郎編), ひつじ書房, pp.1-10.
  • 2003 「無文字社会のことばと智恵-アフリカにおける文化の伝承」, 『少数言語をめぐる10の旅-フィールドワークの最前線から-』(大角 翠編著), 三省堂, pp.13-35.
  • 2003 「ハヤ語,アンコーレ語およびテンボ語における借用語」, 『地方語と共通語における借用語の動態関係-アフリカとインドネシアの場合-』(梶 茂樹編), 環太平洋の「消滅に瀕した言語」にかんする緊急調査研究事務局, pp.11-40.
  • 2002 「アフリカにおける危機言語問題-はたしてクラウス説は当てはまるか-」, Conference Handbook on Endangered Languages, 環太平洋の「消滅に瀕した言語」にかんする緊急調査研究事務局, pp.105-113.
  • 2002 「スワヒリ語はなぜザイールにまで広まったのか-その構造から探る-」, 『現代アフリカの社会変動-ことばと文化の動態観察』(宮本正興・松田素二編), 人文書院, pp.134-149.
  • 2002 「ハヤ語とアンコーレ語の声調の比較-名詞編-」, 『北部中央バントゥ諸語の記述・比較研究』(加賀谷良平編), 平成11-13年度科学研究費補助金(基盤研究(A)(2))研究成果報告, 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所, pp.42-51.
  • 2002 「未知の言語の文法を探り出す手がかり」, 『月刊言語』Vol.31.No.4, 大修館書店, pp.38-43.
  • 2002 「現代都市とポピュラー・ミュージック」, 『アフリカの都市的世界』(嶋田義仁・松田素二・和崎春日編), 世界思想社, pp.217-238.
  • 2001 「バンツー諸語の声調-そのタイプ-」, 『音声研究』第5巻1号, p.37-45.
  • 2001 「世界の声調・アクセント言語」, 『音声研究』第5巻1号, pp.8-10, 2001.
  • 2001 「ハヤ語の母音と声調-『ハヤ語語彙集』に関連して-」, 『アジア・アフリカ文法研究』29号, pp.181-191.
  • 2001 「21世紀のアフリカ言語学」, 『アフリカ研究』第57号, 日本アフリカ学会, pp.5-8.
  • 2000 "Variabilité du trait voyelle [ATR] en wolof contemporain", in『セネガルにおけるウォロフ語使用の研究』(Y. Sunano ed.), 平成8-10年度科学研究費補助金(国際学術研究)研究成果報告書, pp.83-156.
  • 1999 「ヒトが出す音はこんなにも多彩!」, 『サイアス』1999年8月号, 朝日新聞社, pp.36-39.
  • 1999 「スワヒリ語」, 『'99第二外国語をモノにするためのカタログ』, アルク, pp.127-129.
  • 1998 「スワヒリ語」, 『世界の言語ガイドブック2』(東京外国語大学語学研究所編), 三省堂, pp.79-92.
  • 1997 "ATR and Wolof Vowels", 『言語研究』第112号, pp.33-65.
  • 1997 「テンボ語の親族名称」, 『スワヒリ&アフリカ研究』第7号, 大阪外国語大学スワヒリ・アフリカ地域文化研究室, pp.53-77.
  • 1996 「フィールドワークによるバンツー系諸語の記述・比較言語学的研究」, 『フィールドワークを歩く』(須藤健一編), 嵯峨野書院, pp.258-265.
  • 1996 "The Applicative in Tembo (Bantu J57): A preliminary synthesis", in The dative and related phenomena (K.Matsumura and T Hayasi eds.), Hituzi Syobo, pp.145-164.
  • 1996 "Tone Reversal in Tembo (Bantu J.57)", in Journal of African Languages and Linguistics Vol.17-1, pp.1-26.
  • 1995 「言語調査法」, 『言語学大辞典 第6巻述語編』(亀井 孝・河野六郎・千野栄一編), 三省堂 pp.444-449.
  • 1995 「テンボ語通時音韻論」, 『アジア・アフリカ言語文化研究』No.48-49, 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所, pp.387-418.
  • 1995 "Le Nom Personnel chez les Batembo: Analyse Ethnolinguistique", Bulletin des Seances Vol.41-3, Academie Royale des Sciences d'Outre-Mer, pp.345-362.
  • 1995 「名詞の性」, 『月刊言語』Vol.26-4, pp.60-63, 大修館書店.
  • 1994 「テンボ語の声調の逆転現象-フンデ語、バンツー祖語と比較して-」, 『言語研究』第105号, pp.54-86.
  • 1994 「テンボ語植物名の語源分析」, 『文化の地平線-人類学からの挑戦-』(井上忠司・祖田 修・福井勝義編), 世界思想社, pp.436-454.
  • 1993 「アフリカとことわざ」, 『アフリカ研究-人・ことば・文化-』(赤坂 賢・日野舜也・宮本正興編), 世界思想社, pp.60-70.
  • 1993 「アフリカとフランス語-フランス語圏アフリカに見る多言語使用の実態-」, 『フランス語とはどういう言語か』(大橋保夫他著), 駿河台出版, pp.313-331.
  • 1992 『テンボ語音韻論-その共時態と通時態-』, 京都大学大学院文学研究科提出博士論文, 1992(1993年3月学位受理).
  • 1992 "Particularités Phonologiques en Tembo", in Studies in Cameroonian and Zairean Linguistics (Bantu Linguistics Vol.3), 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所, pp.363-372.
  • 1991 「テンボ族の結縄」, 『アジア・アフリカ言語文化研究』No.41, 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所, pp.137-142.
  • 1991 「レガ族の知恵の紐」, 『アフリカ研究』第38号, pp.1-15.
  • 1990 「モンゴ族の伝達用太鼓について」, 『アジア・アフリカ言語文化研究』, No.40, 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所, pp.133-141.
  • 1990 「テンボ語の声調の通時的特性」, 『アジアの諸言語と一般言語学』(崎山 理・佐藤昭裕編), 三省堂, pp.368-381.
  • 1990 「リンガラ語とモンゴ語におけることわざの挨拶」, 『ことば遊びの民族誌』(江口一久編), 大修館書店, pp.413-425.
  • 1989 「テンボ語におけるマインホフの規則の残存物について」, 『アジア・アフリカ言語文化研究』No.37, 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所, pp.1-13.
  • 1986 「比較言語学と言語分類-アフリカの場合-」, 海外学術調査公開シンポジウム『アフリカの自然と諸民族-その移動と文化接触をめぐって-』, 海外学術調査総括班, pp.29-46.
  • 1985 「テンボ族の人名の言語学的特徴」, 『季刊人類学』第16巻2号, 講談社, pp.72-120.
  • 1985 「テンボ語の動詞の活用」, 『アジア・アフリカ言語文化研究』No.29, 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所, pp.91-131.
  • 1985 「テンボ族における個人名-言語人類学的考察-」, 『季刊人類学』第 16巻1号, 講談社, pp.47-88.
  • 1984 "List Lexicale Tembo: Point de Depart", in Multi-lingualizm and Swahilization in Swahili Speaking Area (Y. Wazaki ed.), 富山大学, pp.149-201.
  • 1984 「テンボ語動詞の形態論的構造」, 『アジア・アフリカ言語文化研究』No. 28, 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所, pp.1-47.
  • 1984 「テンボ族の言語と民話」, 『アフリカ文化の研究』(伊谷純一郎・米山俊直編), アカデミア出版, pp.523-543.
  • 1983 "Mise au Point de la Traduction de l'Evangile Selon Marc en Tembo, avec l'Equivalent en Swahili du Zaїre", 『アジア・アフリカ言語文化研究』No.26, 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所, pp.84-152.
  • 1982 「テンボ語音韻論におけるいくつかの問題点-特に子音交替に関連して-」, 『アジア・アフリカ言語文化研究』No.24, 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所, pp.62-96.
  • 1982 "Enquête Préliminaire sur la Phrase Swahili du Zaїre", in Multi-lingualism in Swahili Speaking Area. (Y. Wazaki ed.), 富山大学, pp.75-120.
  • 1979 「フランス語におけるヒューマニゼーションについて-文法的性の機能-」, 『人類学方法論の研究』(谷 泰編 ), 京都大学人文科学研究所, pp.97-133.
  • 1978 「Tembo語の名詞のtone」, 『アフリカ研究』第17号, pp.34-57

プロジェクト

科学研究費補助金(基盤研究B)「アフリカ諸語における統語構造と声調」(平成20年度-平成23年度)
科学研究費補助金(基盤研究C)「ウガンダ西部のバンツー系諸語の声調の比較研究」(平成17年度-平成19年度)
科学研究費補助金(基盤研究A)「アジア・アフリカにおける多言語状況と生活文化の動態」(平成13年度-平成16年度)

その他(受賞・学外委員・社会活動等)

日本学術会議会員
日本言語学会会長
ベルギー王立科学アカデミー会員